MESHIGOTO SUPPLEMENT 02
多店舗飲食 壁突破診断キット/補足資料
業態別
ベンチマーク数値集
居酒屋/焼鳥・串カツ/ラーメン/カフェ/定食・食堂/焼肉/寿司。
7業態の客単価・FL比率・家賃比率・営業利益率・客数。
自社の数字と並べて、どこがずれているかを確かめる1冊。
合同会社メシゴト / 代表 大山ジュン・升本甲一
多店舗飲食 壁突破診断キット 補足資料02
発行:2026年4月
本資料について
目的
自社の数字を「高いのか/低いのか/普通なのか」を判断するための参考値を、業態別に整理した数値集です。
使い方
自社の業態ページを開き、最後のページの記入表に自社数字を書き込みます。ベンチマークと並べて、差分の大きい項目から改善に着手します。
出典と注記
本資料の数値は、以下2つをブレンドしています。必ず出典を区別して読んでください。
| ソース | 内容 |
| 公開データ | 日本フードサービス協会(JF)/経済産業省商業動態統計/中小企業庁 中小企業実態基本調査/総務省家計調査 等の公開統計から、業態・規模を絞り込んだ参考値。 |
| メシゴト推計 | メシゴトが支援中の飲食チェーン・派遣導入先・業績診断レポートから、直接集計・推計した参考値。公開データだけではカバーできない粒度を補完。 |
重要な注記
本資料の数値は、あくまで「自社数字の健康チェックのための目安」です。
精緻な経営判断(出店可否・M&A評価・金融機関への提示等)には、
必ず自社実数と公認会計士・税理士等の専門家意見を優先してください。
また、立地・時代・客層・調達先で数値は大きく変動します。「中央値付近に寄せる」ことが目的ではなく、「ずれの方向と原因を考える」ことが目的です。
本資料で扱う指標
| 指標 | 定義 |
| 客単価(昼/夜) | 税抜、サ料込み。テイクアウト・デリバリー除く |
| FL比率 | 食材原価率+人件費率(社保・法定福利含む) |
| 家賃比率 | 月額家賃÷月商。共益費・更新償却含む |
| 営業利益率 | 月商から販管費まで差し引いた後の店舗利益率(本部費控除前) |
| 月商・月間客数 | 月商=客単価×月間客数。月間客数は席数×回転率×営業日数の逆算目安 |
業態別ベンチマーク(前編)
01. 居酒屋(総合居酒屋/大衆酒場)公開+メシゴト推計
| 客単価(昼) | 800〜1,200円 | 客単価(夜) | 2,500〜3,800円 |
| FL比率 | 55〜62% | 家賃比率 | 8〜12% |
| 営業利益率 | 7〜13% | 月商レンジ | 600万〜1,400万円 |
| 月間客数(目安) | 1,800〜4,500人(50〜80席想定) |
※繁華街立地は客単価上振れ、住宅街・郊外は下振れ。昼営業なしの店舗が多いため、昼客単価はランチ併設店の参考値。人件費率が30%を超えると、FL比率がすぐに黄信号になります。
02. 焼鳥・串カツ(専門業態)公開+メシゴト推計
| 客単価(昼) | 1,000〜1,400円 | 客単価(夜) | 2,200〜3,200円 |
| FL比率 | 53〜60% | 家賃比率 | 8〜13% |
| 営業利益率 | 8〜14% | 月商レンジ | 550万〜1,200万円 |
| 月間客数(目安) | 2,000〜4,500人(40〜70席想定) |
※串物は食材原価率を28〜32%に収めやすく、FL比率は総合居酒屋より2〜3pt低く出る傾向。一方で仕込みの人件費が重く、人件費率が読みづらい業態でもあります。メシゴト関与の大衆居酒屋チェーンでは客単価2,300円台・全店黒字の例あり。
03. ラーメン公開+メシゴト推計
| 客単価(昼) | 950〜1,350円 | 客単価(夜) | 1,100〜1,600円 |
| FL比率 | 58〜65% | 家賃比率 | 7〜11% |
| 営業利益率 | 6〜12% | 月商レンジ | 500万〜1,800万円 |
| 月間客数(目安) | 4,500〜12,000人(カウンター中心 15〜30席) |
※回転率の業態。席数が少なくても月商は高く出せる。食材原価率が35〜40%と他業態より高いが、人件費を20〜25%に抑えられるためFL比率は収まる。オペレーション標準化の難易度が高く、標準化成功が営業利益率に直結します。
業態別ベンチマーク(中編)
04. カフェ(軽食・スイーツ中心)公開
| 客単価(昼) | 900〜1,500円 | 客単価(夜) | 1,200〜1,800円 |
| FL比率 | 52〜60% | 家賃比率 | 10〜15% |
| 営業利益率 | 5〜11% | 月商レンジ | 350万〜900万円 |
| 月間客数(目安) | 2,500〜6,000人(30〜50席想定) |
※家賃比率が他業態より高め(駅近・商業施設内立地が多いため)。客単価の上げ幅が小さく、利益率は低めに出やすい。長時間滞在の客層が多く、回転率を上げにくい点が経営設計の肝。
05. 定食・食堂(ランチ主体)公開+メシゴト推計
| 客単価(昼) | 900〜1,300円 | 客単価(夜) | 1,300〜2,000円 |
| FL比率 | 55〜63% | 家賃比率 | 7〜11% |
| 営業利益率 | 5〜10% | 月商レンジ | 400万〜1,100万円 |
| 月間客数(目安) | 4,000〜9,000人(40〜70席想定) |
※昼の比重が圧倒的に高く、客単価を上げにくいため、月商はランチ回転数で決まります。食材原価率を抑える「定食セット設計」が経営の生命線。夜営業を併設しても、昼の売上インパクトには届かないケースが多い。
06. 焼肉(カジュアル〜中価格帯)公開+メシゴト推計
| 客単価(昼) | 1,500〜2,500円 | 客単価(夜) | 3,500〜6,500円 |
| FL比率 | 55〜62% | 家賃比率 | 7〜11% |
| 営業利益率 | 9〜15% | 月商レンジ | 800万〜2,200万円 |
| 月間客数(目安) | 1,500〜3,500人(60〜100席想定) |
※客単価が高く、営業利益率も業態中ではトップクラス。一方で食材原価率は38〜45%と高く、歩留まり管理が利益の決め手になります。食べ放題業態は客単価3,800〜4,800円レンジで別カテゴリ。
業態別ベンチマーク(後編)
07. 寿司(回転寿司〜カウンター中価格)公開
| 客単価(昼) | 1,200〜2,500円 | 客単価(夜) | 2,500〜5,500円 |
| FL比率 | 58〜65% | 家賃比率 | 7〜10% |
| 営業利益率 | 5〜11% | 月商レンジ | 1,000万〜3,500万円 |
| 月間客数(目安) | 回転寿司 8,000〜20,000人/カウンター 800〜2,000人 |
※食材原価率が45〜52%と全業態中もっとも高い。回転寿司はセントラルキッチン+レーン自動化で人件費を15〜20%に抑え、それでFL比率を収めるモデル。カウンター寿司は別構造で、客単価で回収します。
横断比較(参考:数値の目安レンジ)
| 業態 |
客単価(夜) |
FL比率 |
家賃比率 |
営業利益率 |
| 居酒屋 | 2,500〜3,800 | 55〜62% | 8〜12% | 7〜13% |
| 焼鳥・串カツ | 2,200〜3,200 | 53〜60% | 8〜13% | 8〜14% |
| ラーメン | 1,100〜1,600 | 58〜65% | 7〜11% | 6〜12% |
| カフェ | 1,200〜1,800 | 52〜60% | 10〜15% | 5〜11% |
| 定食・食堂 | 1,300〜2,000 | 55〜63% | 7〜11% | 5〜10% |
| 焼肉 | 3,500〜6,500 | 55〜62% | 7〜11% | 9〜15% |
| 寿司(回転〜中価格) | 2,500〜5,500 | 58〜65% | 7〜10% | 5〜11% |
読み方のコツ
ベンチマークの「中央値を目指す」のではなく、
「自社と中央値の差額が、どこから来ているか」を考えます。差額の正体が仕入単価なのか、人件費設計なのか、ロス率なのか、回転率なのか。ここを分解できると、改善打ち手が具体的になります。
自社の数字を並べてみてください
自社業態のベンチマークと自社数字を並べて書き込み、差分の大きい行から改善に着手します。複数店舗ある場合は、代表店舗1店分を埋めた後、全店平均でもう1枚書いてみるのがおすすめです。
基本情報
| 店舗名/店舗ID | |
| 業態カテゴリ | |
| 席数/営業日数 | |
対象月 | |
数値の比較表
| 指標 |
ベンチマーク(業態) |
自社実数 |
差分(±) |
| 客単価(昼) | | | |
| 客単価(夜) | | | |
| 食材原価率 | | | |
| 人件費率 | | | |
| FL比率(F+L) | | | |
| 家賃比率 | | | |
| 販促・水道光熱費 | | | |
| 営業利益率 | | | |
| 月間客数 | | | |
| 月商 | | | |
差分の原因として考えたい論点
- 客単価がベンチマーク下限より低い:メニュー構成(ドリンク比率・単価レンジ)/客層/時間帯構成/クーポン依存度を点検
- FL比率がベンチマーク上限を超えている:仕入単価/ロス率/人件費配置(ピーク合わせか平均合わせか)/理論原価と実原価のGAPを点検
- 家賃比率が高い:月商を上げるか、物件条件を見直すか。月商向上で圧縮する方が現実的なケースが多い
- 営業利益率がマイナス:固定費の内訳(家賃+人件費+水道光熱+販促+雑費)を1つずつ標準レンジと比較
よくある落とし穴
「ベンチマークに合わせてコストカットする」と、短期で利益は出ますが、品質低下で2ヶ月後のCSと売上が落ちます。特に人件費を絞る施策は、CS悪化→売上減少の悪循環に入りやすいので注意してください。メシゴト内部分析では、CSスコア80点割れで2ヶ月後に月商約40万円ダウンのデータがあります。
出典・奥付
主な出典
| 出典 | 用途 |
| 一般社団法人 日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」 | 業態別 売上・客数・客単価の時系列傾向 |
| 経済産業省「商業動態統計調査」 | 飲食サービス業の全体規模・動向 |
| 中小企業庁「中小企業実態基本調査」 | 飲食業 中小企業の財務指標(営業利益率等) |
| 総務省「家計調査」/「サービス産業動向調査」 | 家計の外食支出動向・客単価傾向 |
| 株式会社リクルート「ホットペッパーグルメ外食総研」公開リリース | 業態別 客単価・来店動機 |
| メシゴト 業績診断レポート(内部データ)メシゴト推計 | 支援中チェーンからの業態別実測値(匿名化集計) |
| メシゴト 派遣導入先データ(内部データ)メシゴト推計 | シフトインした店舗からの現場レベル数値(人件費・ロス率) |
数値の更新方針
- 公開データは年1回(JFサービス協会の年次統計発表タイミング)で見直し
- メシゴト推計は、支援先チェーンの四半期決算タイミングで見直し
- 大きな市場変動(原材料価格急騰等)があった場合は、スポットで追補
重要な留意事項(再掲)
経営判断での使用について
本資料の数値は、あくまで「自社数字の健康チェックのための目安」です。精緻な経営判断には、
自社実数と公認会計士・税理士等の専門家意見を優先してください。
特に、金融機関・投資家・FC加盟希望者への提示用途には、本資料の数値ではなく自社実数をお使いください。
発行元
| 商号 | 合同会社メシゴト(Meshigoto LLC) |
| 代表 | 升本 甲一・大山 ジュン(共同代表) |
| 所在地 | 〒151-0053 東京都渋谷区代々木2丁目27-16 ハイシティ代々木303 |
| 連絡先 | info@meshigoto.com |
| 発行 | 2026年4月 |
数値に違和感があったら
「うちの業態、このベンチマークだと合わない」「もっと細かい業態の数値が欲しい」といったご要望は、
info@meshigoto.com までご連絡ください。メシゴトの業績診断レポート(有償)で、自社特化のベンチマーク作成もお受けしています。